「屋号は決めたけど、ドメインは後回し」になっていませんか
開業の準備を進める中で、屋号や事業名は早めに決めたものの、ホームページのドメイン(インターネット上の住所)はまだ考えていない、という方は意外と多いものです。
ところが、後になって「いざホームページを作ろう」と思ったときに、希望のドメイン名が既に取られていたり、屋号とまったく違う文字列しか取れなかったり、ということがよく起こります。
さらに困るのが、軌道に乗ってきてから「屋号を変えたい」「事業内容に合わせて見直したい」と思ったときです。屋号変更にともなうホームページの引っ越しは、新しく作り直すのと同じくらい手間がかかることもあります。
この記事では、開業前後の方に向けて、屋号と将来のドメイン名を連動させて決めるための考え方を、やさしくご紹介します。
屋号を先に決めてしまうと起こりがちなこと
- 希望のドメイン名がすでに取得されていて使えない
- 屋号とドメイン名が一致せず、お客様に覚えてもらいにくい
- SNSアカウント名と屋号もバラバラになってしまう
- 後から屋号変更したくなったときに、ホームページ移行で大きな手間が発生する
屋号を決めるときの基本ルール
屋号は、事業の顔となるものです。お客様が最初に目にする名前であり、これから何年も使い続けることになります。だからこそ、勢いだけで決めてしまうのではなく、いくつかの観点でチェックしておきたいものです。
1. 読みやすく、覚えやすいか
口頭で伝えたときに、相手にすぐ理解してもらえるかは大切なポイントです。読み方が複雑だったり、似た言葉と混同されやすい屋号は、口コミでの広がりが弱くなってしまいます。
電話で「お名前を教えてください」と聞かれて、すらすら答えられる長さ・読みやすさを意識しましょう。
2. 事業内容と方向性が一致しているか
例えば「○○デザイン」と聞けばデザイン関連の事業、「○○整骨院」と聞けば施術系の事業、というように、屋号からおおよその事業内容が想像できると、お客様の安心感につながります。
逆に、抽象的すぎる名前は、覚えてもらいやすい一方で、何をしている事業者なのかを別途説明する必要が出てきます。
3. 将来の事業拡大に耐えられるか
開業当初は「○○カフェ」だったお店が、後に焼き菓子の通販も始めたい、という展開はよくあります。屋号に特定のサービス名や地名を入れすぎると、後から事業を広げにくくなる場合があります。
5年後、10年後の自分の事業を想像してみて、その屋号で違和感がないかを考えておくと安心です。
4. 商標・既存企業との重複がないか
同じ業種で似た屋号がすでに存在すると、お客様の混乱を招くだけでなく、最悪の場合、商標権の問題に発展することもあります。
開業届を出す前に、Googleで屋号を検索する・特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で商標を確認する、といった一手間をかけておきましょう。
屋号を決める前にチェックしたいこと
- 声に出して読みやすいか、3秒以内に書き取れるか
- 事業内容を想像してもらえるか
- 5年後・10年後も違和感なく使えるか
- 同業他社・既存商標と重複していないか
- SNSアカウント名としても使えるか
ドメイン名で気をつけたい3つのポイント
屋号がある程度固まってきたら、次は同じタイミングでドメイン名のことも考えておきましょう。ドメイン名はホームページのURLの一部であり、お客様にとっての「インターネット上のお店の住所」にあたります。
1. 短く、シンプルに
ドメイン名は短いほど覚えやすく、入力ミスも減ります。20文字を超えるようなドメインは、口頭で伝えるだけでも一苦労です。
理想は10文字前後、長くても15文字以内に収めたいところです。
2. ハイフンや数字の使い方に注意
「nagi-web」のようにハイフンを使うと、希望の文字列が取りやすくなる一方で、口頭で伝えるときに「ハイフン」と毎回説明する必要が出てきます。
数字も同じで、「web1」「shop2」のような表記は、お客様が「いち」なのか「ワン」なのかを迷ってしまう原因になります。
3. トップレベルドメインの選び方
「.com」「.jp」「.net」など、ドメインの末尾部分はトップレベルドメインと呼ばれます。それぞれに特徴があります。
.com— 世界で最も普及している、無難で信頼感のある選択肢.jp— 日本の事業者であることが伝わる。取得には日本国内の住所が必要.co.jp— 日本の法人のみが取得できる。信頼性が高い.net.info.shopなど — 用途や業種に合わせた選択肢
個人事業主の方には、まずは .com か .jp のどちらかを選んでおけば間違いがありません。
ドメイン選びでよくある失敗
- 長すぎて口頭で伝えにくい
- 屋号のローマ字綴りが直感的に書けない(例:「ちょう」を tyou と書くか chou と書くか)
- 安さだけで珍しいトップレベルドメインを選んで、お客様に怪しまれる
- キャンペーン価格に飛びついて、2年目から急に高くなる
屋号とドメイン名を一致させるメリット
屋号とドメイン名を連動させて決めることには、想像以上に多くのメリットがあります。
1. お客様に覚えてもらいやすい
屋号が「nagi」なら、ドメインも「nagi.com」や「nagi-web.com」のように関連させておくと、お客様は屋号さえ覚えていればホームページにたどり着けます。
逆に屋号は「nagi」なのにドメインが「abc-design2024.com」だと、別途URLを伝える手間が発生します。
2. 名刺・チラシ・SNSで一貫性が出る
屋号とドメインが揃っていると、名刺やチラシ、SNSのアカウント名まで自然と統一できます。お客様から見たときの「ちゃんとしている感」は、信頼につながる大切な要素です。
3. メールアドレスもブランディングできる
独自ドメインを取得すると、info@屋号.com のような専用メールアドレスが使えるようになります。フリーメール(Gmail等)でやり取りするより、ぐっと事業者らしい印象になります。
4. SEO(検索エンジン対策)でも有利
ドメイン名と屋号が一致していると、「屋号で検索したときに、自分のホームページが見つかりやすい」という効果があります。
ブランド名で検索される機会が増えてきたときに、その入り口がはっきりしているのは大きな強みです。
屋号とドメインを揃えると得られること
- 口コミで広がりやすくなる(覚えやすさ)
- 名刺・チラシ・SNS・メールに一貫性が出る
- 独自ドメインのメールアドレスで信頼感アップ
- 屋号での検索からの流入が見つけやすくなる
既に取られているドメイン名の確認方法
「これだ」と思う屋号とドメインの候補が決まったら、実際にそのドメイン名が取得可能かを確認しましょう。
ドメイン取得サービスで検索する
「お名前.com」「ムームードメイン」「Xserverドメイン」など、ドメイン取得サービスのトップページには、ドメイン名の空き状況を検索できる窓があります。
希望の文字列を入力して、「.com」「.jp」などのトップレベルドメインごとに、取得可能かどうかを確認できます。NAGI-WEB制作では特定のサービスを推奨してはおらず、使いやすいと感じたものを選んでいただいて構いません。
取得済みだった場合の選択肢
もし第一希望のドメインが既に取得されていた場合は、次のような選択肢を検討します。
- 末尾の語を変える(例:
屋号.com→屋号-web.com、屋号-design.com) - トップレベルドメインを変える(例:
.com→.jp、.net) - 屋号自体を少し見直す
- 屋号の前後に地名や業種を入れる(例:
fukuoka-屋号.com)
ここで大事なのは、「ドメインが取れないから屋号も変える」という判断を、開業前に冷静にできるかどうかです。開業後に同じ判断をするのは、書類変更・名刺刷り直しなどがあり、ずっと大変になります。
売買中のドメインに飛びつかない
検索結果に「このドメインは販売中です」「Make an Offer」と表示されることがあります。これはドメイン売買サービスを介して、高額で取引されているドメインです。
数万円〜数十万円、ときには数百万円という価格で売られていることもあり、開業時に手を出すものではありません。別の候補を検討するほうが現実的です。
ドメイン取得時の注意
- 初年度キャンペーン価格と2年目以降の更新料を必ず両方確認する
- SSL証明書が無料で付くか、別料金かを確認する
- ドメインの所有者名義は必ず自分(または自社)名義で登録する
- 更新忘れでドメインを失わないよう、自動更新の設定をしておく
屋号変更時のホームページ移行の難しさ
「屋号は途中で変えられるから大丈夫」と考えている方もいらっしゃいますが、ホームページを公開した後で屋号を変更するのは、想像以上に大変な作業です。具体的に何が起こるのかを見ておきましょう。
1. ドメイン名は途中で変更できない
ドメイン名は、一度取得したものを「文字列だけ変える」ことはできません。新しい屋号に合わせるには、新しいドメインを取得して、ホームページを引っ越す必要があります。
旧ドメインから新ドメインへ自動転送する設定は可能ですが、両方のドメイン費用が発生し続けますし、お客様のブックマークやSNSのリンクは古いままになります。
2. SEOの評価がリセットされる
検索エンジンは、長く運用されているドメインを評価する傾向があります。新しいドメインに移行すると、これまで積み上げてきた検索順位や評価がリセットされ、再び一から積み上げ直しになります。
「301リダイレクト」という転送設定で評価をある程度引き継ぐことはできますが、それでも一時的に検索順位は下がりますし、設定を間違えると評価が完全に失われることもあります。
3. 名刺・チラシ・看板の刷り直し
屋号を変更すると、ホームページだけでなく、名刺・チラシ・封筒・領収書・看板・車両のロゴまで、すべて刷り直しが必要になります。在庫を抱えていた印刷物は基本的に廃棄です。
4. 取引先・お客様への周知
長年お付き合いのある取引先や、リピーターのお客様に対して、屋号変更の連絡を一件ずつ行う必要があります。「以前は○○という屋号でした」という説明を、しばらくの間ずっと続けることになります。
5. 各種登録の変更手続き
開業届・銀行口座・各種契約・SNSアカウント・Googleビジネスプロフィール・地図情報サービスなど、屋号の変更にともなって手続きが必要な項目は数えきれません。
屋号変更で発生する作業の一例
- 新ドメイン取得・ホームページの引っ越し・SSL再設定
- 旧ドメインから新ドメインへの転送設定(301リダイレクト)
- 名刺・チラシ・看板・印刷物の刷り直し
- 銀行口座・契約書・税務関係の名義変更
- SNSアカウント名・Googleビジネスプロフィールの変更
- 取引先・お客様への周知連絡
だからこそ、最初の屋号決めの段階で、ドメイン名のことまで含めて少し時間をかけて検討することが、後々の自分を助けることにつながります。
まとめ
屋号とドメイン名は、本来はセットで考えるべきものです。けれど、開業準備で忙しい時期は、ホームページのことまで手が回らず、屋号だけ先に決めて開業届を出してしまうケースが少なくありません。
後から「やっぱり屋号を変えたい」と思ったとき、ホームページの引っ越し・SEO評価のリセット・印刷物の刷り直し・取引先への周知など、想像以上の労力がかかります。だからこそ、開業前のタイミングで、ドメイン名のことまで考えて屋号を決めておくのが賢い選び方です。
NAGI-WEB制作では、開業前後の方からのご相談も多くいただいています。「この屋号でドメインは取れるかな」「ローマ字綴りはどうしたらいい」といった段階のご相談だけでも歓迎です。ホームページを作る前の、屋号・ドメイン選びの段階から、一緒に考えていけたらと思っています。
ご相談・お見積りは無料で、無理な勧誘は一切いたしません。お気軽にお問い合わせください。